アラブ首長国連邦(UAE)は、ホルムズ海峡の混乱がエネルギー輸出に及ぼす脅威を抑えるため、東部の港湾やパイプライン、鉄道網、代替貿易回廊を拡充している。UAE大統領外交顧問のアンワル・ガルガシュ氏は9月7日、アブダビで開かれたヒリ・フォーラムで、航行の自由は地域にとって基本条件であり、アブダビは石油取引や幅広い経済活動が人質に取られることを許さないと述べた。 この戦略の基盤となるのが、ホルムズ海峡を通らずにアブダビ内陸部の油田からオマーン湾岸のフジャイラまで原油を運ぶハブシャン・フジャイラ・パイプラインである。UAEの石油輸出は、2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、その後イランがUAE領内にミサイル攻撃を行い、タンカー輸送を妨害したことで混乱したが、6月初旬までに戦争前の水準の約85%まで回復した。アブダビは8月、イランとの金融取引を全面停止し、従来はイランの貿易を支えていた両国の経済関係の断絶を深めた。 UAE国営石油会社アドノック(ADNOC)は、フジャイラの輸出能力を2027年までに日量約360万バレルへ引き上げることを目指す東西パイプラインも建設している。ガルガシュ氏は、テヘランとの信頼を再構築するには数十年かかる可能性があると述べた。より広範な紛争とホルムズ海峡への脅威が続くなか、湾岸産油国にとって代替輸出能力の重要性が改めて浮き彫りになっている。