Isar AerospaceのSpectrumロケットは9月5日、ノルウェーのアンドーヤ宇宙港から2回目の試験飛行に臨み、軌道に到達した。大陸欧州から打ち上げられたロケットとして、民間企業が独自開発し、衛星を軌道投入した初の例となる。2段式液体燃料ロケットのSpectrumは、離陸、段間分離、第2段点火、フェアリング分離、軌道円形化、ペイロード分離を完了した後、小型科学衛星5基と飛行技術実証機1基を放出した。今回の節目により、欧州宇宙機関(ESA)の「欧州ランチャー・チャレンジ」に基づくIsarの義務が果たされた。同プログラムでは、選定された5社が2027年までに軌道投入能力を実証する必要がある。Spectrumの初飛行は2025年3月30日、意図せず開いたベントバルブによって姿勢制御を失い、離陸から1分足らずで終了した。Isarによると、商業案件のパイプラインは100億ユーロ(116億ドル)を超える。ただし、正式契約でカバーされている金額は明らかにしていない。同社は現在、産業化を優先しており、ミュンヘン近郊に年間最大40基を生産できる4万平方メートルの施設を計画しているほか、ノバスコシア州で第2の打ち上げ拠点も開発している。IsarはESAから1億9780万ユーロの契約を確保し、これまでにESAから2億ユーロ超の支援を受けた。また、企業価値が20億ユーロを超えるシリーズDラウンドで2億7000万ユーロを調達している。今回の成功により、欧州は独立した商業打ち上げの選択肢を得た。ただし、より大型のペイロードや高い軌道への投入には、引き続きアリアングループのロケットが必要となる。