トランプ政権は8月、バッテリー向け鉱物、素材、製造、リサイクルに取り組む7社に5億ドルを拠出した。バイデン政権時代のインフラ投資・雇用法に基づき、それぞれ30億ドルを拠出するエネルギー省の2つのプログラムで、今回が初めての支給となる。取り組みは、トランプ政権が連邦政府の電気自動車(EV)税額控除を廃止し、バイデン政権時代のバッテリーおよびEV政策を相次いで撤回する動きと並行して進んでいる。CNBCの取材に応じた専門家や企業幹部は、中国のバッテリーサプライチェーン全体に対抗するために必要な投資と時間に比べ、助成金の規模は小さいと述べた。中国は世界のEV向けバッテリー正極活物質の約85%、負極活物質の90%超、バッテリーセルの約8割を生産している。リラック・ソリューションズのレイフ・サリーCEOによると、中国は硬岩リチウム鉱物であるスポジュメンの95%も加工している。コアシェル・テクノロジーズは、中国産黒鉛の代わりに米国で採掘したシリコンを使ってバッテリー負極を製造するため5000万ドルを受け取った。一方、リラックは塩水からリチウムを抽出し、中国が支配する加工工程を迂回する技術向けに1億ドルを受け取った。アトラス・パブリック・ポリシーによると、2025年1月以降に発表されたバッテリープロジェクトのうち、約240億ドル相当が中止された。中国の優位は、国内でのEV普及拡大によっても強まっている。中国の乗用車販売に占める新エネルギー車の割合は7月に65%となったのに対し、米国の販売に占める電動車の割合は2026年第2四半期に約24%だった。企業幹部は、米国には革新的な企業があるものの、生産規模の拡大という大きな課題に直面していると指摘した。エネルギー貯蔵の需要が拡大を続ける一方、中国はEVとバッテリー製造で優位を広げている。