米10年国債利回りは4.80%前後と2025年の高値に近づいている。財政赤字やインフレ圧力、AIインフラ向け資金調達需要が債券市場の重しとなっているためである。投資家の関心は、金融緩和の再開を期待するよりも、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長が示す政策反応、すなわち中央銀行がインフレと成長のリスクをどう両立させ、どのような進展が政策変更の引き金となるのかに移っている。ウォーシュ氏はジャクソンホール会合で、インフレ抑制に向けてなお取り組む必要があると述べ、市場は追加利上げの余地を残す発言と受け止めた。市場では現在、FRBが来週利上げする確率を約60%と織り込んでいる。実施されれば、3年超ぶりの利上げとなる。今週は注目度の高い消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の発表に加え、原油高への懸念が続き、3年債入札を皮切りに国債発行が相次ぐ。