人工知能(AI)によって複雑な金融ソフトウエアの脆弱性を低コストで特定できるようになるなか、ビットコインのインフラを巡るセキュリティ懸念が強まっている。報道によると、今月は5200以上のビットコインアドレスがハッキング被害に遭い、損失は1800BTCを超えた。また、コールドカードのウォレットから約1億1400万ドルが流出し、ホワイトハッカーはブロックストリームのLiquid Networkから約4000BTC(3億1700万ドル相当)を引き出した。脆弱性の修正後、3400BTCが返還されたという。ビットコイン・コアの開発者らは週次会合で、プロジェクトのAI対応を巡っても議論した。スパイラルの責任者であるスティーブ・リー氏が、寄付者やコミュニティーのメンバーは、AI関連のネットワーク脅威への備えが不十分で、コードレビューやテスト、トラブルシューティングでAIを効果的に活用できていないと懸念していると述べたことを受けたものだ。ハッカーはKimi K3を使ってコールドカードの脆弱性を特定したと報じられているほか、Core Lightningの開発者らは、AIが生成した報告によって実在する欠陥が見つかったことを受け、緊急修正を実施した。8月には、16人のビットコイン開発者がAIモデルを使って390件のプロジェクトを調査し、約5000件の指摘を生成した。このうち85件は当初、重大な問題に分類された。こうした事案は設計上のトレードオフを浮き彫りにしている。ビットコインのメインレイヤーはリスクを抑えるため意図的に単純な設計を維持している一方、スマートコントラクトやオフチェーンのスケーリングレイヤーは、より複雑なコードベースを通じて機能を追加している。ビットコインアプリケーション開発者で、コマースブロックの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)でもあるグレゴリー氏は、AIが人間の見落とす可能性のあるバグを発見していると指摘し、マーキュリーのオープンソースコードに脆弱性が残っていないか疑問を呈した。