2026年2月下旬に始まり、当初は数週間の予定だった米国・イスラエルによる対イラン戦争は、6月の合意が崩壊した後も決着していない。7月14日に再び実施された米海軍の封鎖により、ホルムズ海峡南側の海域は実質的にイランのタンカー航行ができない状態となり、イラン産原油の積み出しは8月に1日当たりおよそ22万〜26万バレルまで減少した。年初の約185万バレルから8割超の減少である。7月の積み出しは、封鎖前に積み込んだタンカーが出港を終えたため、平均で約74万バレルとなった。8月の積荷は主に近隣の買い手向けか、洋上貯蔵に回った。イラン以外の湾岸諸国からの輸出は、米国の支援を受けたルートの拡大により、9月までに1日当たり840万〜1080万バレルまで回復した。こうした圧力を受けても、イラン指導部はホルムズ海峡、核開発計画、地域の武装組織を巡る立場を譲歩しておらず、低水準の戦闘も続いている。イランの支援を受けるフーシ派は、サウジアラビアの石油施設やバブ・エル・マンデブ海峡付近の船舶への攻撃を強めており、これがブレント原油を1バレル=100ドル超、ディーゼル価格を過去最高値に押し上げる一因となった。紛争により米納税者の負担は375億ドルを超え、米軍関係者18人が死亡した。一方、イラン国内では物価上昇、燃料待ちの行列、通貨への圧力、失業、補助金を巡る財政負担が悪化している。