ブラウン大学ワトソン・スクールによると、2月末にイラン戦争が始まって以降、米国民はガソリンと軽油に推定1020億ドル多く支出しており、1世帯当たりでは約780ドルに相当する。同校のリアルタイム追跡システムは、実際の燃料価格を、過去の価格動向に基づく「戦争がなかった場合」の反実仮想価格と比較している。推計では、ガソリンの追加負担が562億ドル、軽油が460億ドル超となった。紛争開始から6カ月が経過するなか、軽油価格は記録上初めて1ガロン6ドルを超え、ガソリン価格も2022年以降の最高水準に近い状態が続いた。ただ、燃料価格の上昇が食品や衣料品など幅広い消費者物価に波及する動きは限定的だった。ブラウン大学の推計は、ジェット燃料を含むより広範なエネルギー費用について、ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏が先に示した、1世帯当たり860ドル、総額約1150億ドルという試算より対象が狭い。トランプ大統領は紛争が終結すれば価格は下落すると述べる一方、原油価格が下がるのは11月の米中間選挙後になる可能性があると認めている。ホワイトハウスは、精製能力の拡大とホルムズ海峡の継続的な管理を、価格を紛争前の水準に戻す手段として挙げている。