米国との貿易対立が激化するなか、消費者が米国産品を避け、小売業者が国内調達を拡大し、輸入先を多様化するとともに原産国情報を目立つ形で表示する動きが広がっている。これに伴い、食料品の購買行動とサプライチェーンが再編されている。ヴィンス・マーケットのジャンカルロ・トリマルキ社長によると、グレーター・トロント地域にある同社4店舗は現在、ケベック州産のイチゴなど、農産物の約90%をカナダ国内から調達している。米国産品の代わりにケベック州産のイチゴを仕入れているという。こうした変化は、8月21日に貿易協議が決裂し、ドナルド・トランプ大統領がカナダ製品200億ドル相当に50%の関税を課した後に起きた。その後、追加の輸入制限とカナダによる報復措置も導入された。今回の対立は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)により米国からの輸出品の大半が無関税でカナダに入ることや、両国が幅広い経済関係を築いていることにもかかわらず生じている。カナダの野菜輸入に占める米国産の割合は、2023年7月の69%から今年7月には62.6%に低下した。一方、果物の輸入では依然として半分超を米国産が占めている。カナダは温室への投資として10年間で約30億カナダドルを投じているが、厳しい冬、高コスト、州政府の規制が、食料自給率のさらなる向上に向けた障害となっている。