インフレや債務、市場の変動性が家計の貯蓄能力を損ない、米国で退職への不安が強まっている。8月末に発表されたWalletHubの調査によると、米国人の43%が死ぬまで働くと予想しているほか、39%が退職に不安を感じ、29%が退職後に家族から経済的支援を受けると見込んでいる。ギャラップによると、退職後の経済的不安は2001年以降、米国で主要な金融懸念となっているが、生活必需品の価格上昇が圧力を一段と強めている。全米退職保障研究所(NIRS)は、米国人の61%が退職後に経済的な安定を実現できないと懸念していると明らかにした。懸念の理由として、73%がインフレ、62%が市場の変動性を挙げた。債務も貯蓄を制限しており、従業員給付研究所(EBRI)の2026年退職信頼度調査では、ゆとりある退職生活を送れるとの労働者の自信が6ポイント低下し、61%となった。米国人は引き続き退職給付を重視しているものの、多くは同国が退職危機に直面しているとみており、職場の運用プランにおける仮想通貨や、金融助言での人工知能の利用にも警戒感を示している。