中国国家外貨管理局(SAFE)は、人民元高が輸出企業の収益を圧迫するなか、企業顧客に為替ヘッジを拡大するよう促す非公式な「窓口指導」を銀行に出した。輸出依存度の高い沿岸地域のSAFE支局は銀行に対し、顧客のヘッジ比率を40%前後かそれ以上に引き上げるよう求めた一方、貿易活動が低調な地域の銀行には全国平均に近づけるよう要請した。一部の支局は、企業の通貨オプションにかかるプレミアムの一部または全額を補助している。人民元は年初来、ドルに対して4.3%上昇し、約4年ぶりの高値圏で取引されている。企業の外国為替デリバティブ契約は今年上期に約1.4兆ドルに達し、前年同期比で約40%増加した。全国のヘッジ比率は35.3%となり、昨年末から5.3ポイント上昇した。ゴールドマン・サックスは、上期の為替差損が約700億元、約104億ドルに上ったと推計した。これは企業利益全体の約4%に相当し、過去10年で最大の水準である。今回の措置は、国内需要の低迷を受け、高技術製品や人工知能関連製品を含む輸出が中国経済の主要な支えとなるなかで実施された。イランを巡る緊張に関連した為替市場の変動拡大により、人民元の上昇ペースが鈍化すると市場が見込むなかでも、ヘッジ需要は高水準で推移する可能性がある。