ラガルド氏、欧州の貯蓄が米AIブームを支えるも恩恵乏しく

  • ラガルド氏は、欧州の貯蓄が米国の人工知能(AI)拡大の資金源となっていると警告した。
  • ユーロ圏家計は、エヌビディアやアルファベットを含む米テクノロジー企業に約4400億ユーロを保有している。
  • 欧州のデータセンター供給不足は2036年までに19ギガワットに達し、解消には最大6000億ユーロかかる可能性がある。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、欧州の貯蓄が米国の人工知能(AI)拡大の資金源となる一方、欧州がそこから得る経済的恩恵は小さいと警告した。ユーロ圏家計は、エヌビディアやアルファベットを含む米テクノロジー企業に約4400億ユーロを保有している。一方、昨年発表された注目すべきAIモデルは米国企業が59件だったのに対し、中国は35件、フランスと英国は各1件だった。ユーロ圏家計の銀行預金は2026年5月時点で約10兆ユーロに上り、約80%は株式、債券、投資ファンドを保有していない。欧州のファンドや保険会社、年金制度も、社債を購入することで米テクノロジー企業に直接融資している。米国の大手ハイパースケーラーは昨年、1000億ドルを超える社債を発行し、2028年までに設備投資へ1兆ドル超を投じると予想されている。ラガルド氏は、欧州がそれに伴う借入コストの上昇の一部を負担しながら、同等の成長を得られない可能性があると述べた。AIの急速な普及により、ユーロ圏の生産性は10年間で最大4%押し上げられる可能性がある。ただ、世界のAI計算能力の約75%は米国に集中しており、欧州は約5%にとどまる。欧州のデータセンター供給不足は2036年までに19ギガワットに達し、その解消には最大6000億ユーロかかる可能性がある。欧州は「貯蓄・投資連合」やリスティング法、AIギガファクトリーの計画などで対応しているが、アナリストは、貯蓄を域内にとどめるにはベンチャーキャピタル市場の深化と、より競争力のある欧州企業が必要だと指摘している。

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