日本製鉄は、欧州最大の生産拠点であるスロバキア・コシツェ製鉄所に電炉と空気分離装置を建設するため、約9億ユーロを投資する計画である。電炉の年間生産能力は約160万トンで、2030年の稼働開始を予定している。併設する酸素プラントは2029年の稼働開始が見込まれる。スロバキア政府は、欧州連合(EU)の近代化基金を通じて3億5000万ユーロを補助する。施設を所有するのは、2025年に日本製鉄が買収したU.S. Steel Košiceで、10月1日付で日本製鉄の直接子会社となり、社名をNippon Steel Slovakiaに変更する。今回の投資は、欧州の顧客向けに低炭素鋼を生産し、鉄鋼メーカーが炭素国境調整メカニズム(CBAM)や、より広範な脱炭素化への対応を迫られるなかで、その取り組みを支えることを目的としている。日本製鉄は、2030年のCO2排出量を2013年比で30%削減する目標を掲げているが、スクラップや還元鉄のコスト、電力価格の変動が計画の採算性に影響する可能性がある。