米国はメキシコに対し、人工知能(AI)チップやサーバー、関連ハードウェアの原産地規則を厳格化するよう求めている。北米域内で調達される部品の比率を引き上げ、中国企業やその他の外国企業がメキシコを経由して米国の関税を回避するのを防ぐ狙いである。米政府は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の自動車関連規則に類似した原則を適用することを検討しているが、AIハードウェアに関する具体的な域内調達比率や移行期間は示していない。メキシコでAI関連製造が急拡大していることで、問題の重要性は増している。同国は2026年上期、約830億ドル相当のコンピューターサーバーを輸出し、前年同期比の伸び率は170%超に達した。輸出の約94%は米国向けである。台湾系メーカーでは、鴻海精密工業(ホンハイ)などがメキシコに主要な生産拠点を置いており、新たな要件が導入されれば、調達やサプライチェーンの構造が影響を受ける可能性がある。協議の対象は電子機器、医薬品、医療機器など他の戦略産業にも及ぶ可能性がある。一方、関税を巡る対立が続くなか、米国とカナダによる別のUSMCA協議の行方は不透明である。