米国と欧州では、ホルムズ海峡周辺の混乱が長期化し、中東とロシアからの供給減少に拍車をかけるなか、軽油価格が200ドル/バレルを上回っている。同海峡は世界の石油供給の約5分の1が通過する要衝で、2026年2月下旬に紛争が始まる前には、中東産軽油約90万バレル/日が通過していた。米国の軽油価格は9月中旬までに1ガロン当たり6.06〜6.31ドルに達し、戦争前の3.52〜3.75ドルから55〜78%上昇した。先行報道では、1日当たりの全米平均として6.45ドルというより高い数値も示されており、これは計測日が異なるためである。軽油のクラックスプレッドは初めて100ドル/バレルを上回った。2022年のロシア・ウクライナ戦争初期は約60ドルだった。中東産軽油の供給減少は3〜8月に平均約77万バレル/日に達し、ロシアの制限によってさらに約35万バレル/日が失われた。紛争開始以降、米国の家計と企業がガソリンと軽油に支払った追加負担は推定1009億ドルに上り、そのうち軽油分は約460億ドルである。世界の中間留分在庫は2027年に入っても危機的な低水準が続くと予想され、輸送、農業、建設など軽油への依存度が高い分野への圧力が続く見通しだ。