コインベースは、ブラックロック向けに保管する資産を含む約2500億ドルの機関投資家向け資産を対象に、耐量子カストディ・アーキテクチャーを設計している。ビットコインなどのネットワークが、異なる量子耐性署名方式を採用する可能性に備えるためだ。現在の機関投資家向けシステムではマルチパーティー計算(MPC)を採用し、秘密鍵のシェアを複数の当事者に分割することで、単一のマシンが完全な鍵を保有しない仕組みとしている。コインベースの暗号技術部門責任者、イェフダ・リンデル氏は、ハッシュベース署名は必要な算術構造を欠くため、MPCと併用できない可能性がある耐量子方式の1つだと述べた。そこでコインベースは、プライベートデータセンターにプログラム可能なハードウェア・セキュリティー・モジュール(HSM)を設置する案を検討している。MPCと互換性のない方式が採用された場合、耐量子暗号化された鍵を強固なセキュリティーを備えたデバイス内でのみ組み立てるためだ。コインベースは、米国の仮想通貨ETFが保有する1400億ドルの資産の81%をカストディしている。また、2026年7月には8社とともに、オープンソースのセキュリティー作業に取り組む1500万ドル、3年間のビットコイン・セキュリティー・コンソーシアムに加わった。量子リスクは優先課題となっている。