欧州連合(EU)加盟国は、域内の排出権取引制度(ETS)で余剰となったCO2排出枠の取り消しを停止し、価格急騰時に供給バッファーとして機能し得る市場安定化リザーブ(MSR)に残すことで合意した。欧州委員会が4月に初めて提案したこの計画は、イラン紛争をきっかけとした燃料価格の急騰に対するEUの対応策の一環である。ポーランドやイタリアを含む各国政府は、電力コストに対するETSの影響を抑える措置を求めていたが、欧州で上昇するエネルギー価格の主因はETSではない。合意案では、2030年まで余剰排出枠を取り消さない。2031年以降は、MSR内で8億排出枠を上回る分を取り消し、その基準値は毎年引き下げる。EU加盟国は、規則の発効前に欧州議会と最終規則を協議しなければならない。