ロンドンに拠点を置くAIインフラプロバイダーのNscaleは、仮想通貨マイニング企業Arkon Energyから2024年頃に分離して設立され、最大350億ドルの評価額を想定したニューヨーク上場を申請した。同社の2026年上期の売上高は1億4060万ドルで、前年同期比1252%増となった。一方、2026年6月30日までの6カ月間の純損失は10億200万ドルに拡大した。経営陣はまた、継続企業として存続する能力に重大な疑義があると指摘した。Nscaleによると、契約済み売上高の受注残は総額1030億ドルで、平均契約期間は5.7年。ただし、受注残の大部分はまだ確定していない。約450億ドルをAnthropicが占め、マイクロソフトも主要顧客となっている。Nscaleは8月下旬時点で、約46万1000基のGPUを稼働させるか契約済みとしており、14地域にまたがる電力供給計画は10ギガワットを超えていた。創業者兼最高経営責任者(CEO)はジョシュ・ペイン氏。同社の取締役会には、メタの元最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグ氏、元英副首相のニック・クレッグ氏、ヤフー元社長のスーザン・デッカー氏が名を連ねる。エヌビディアはNscaleにとって最大の供給業者であり、投資家、金融支援者でもある。Nscaleは9月15日、総額31億ドルの資金調達契約を締結し、エヌビディアは転換社債または議決権のない株式を通じて10億ドルを提供する。これに先立つ提出書類では、エヌビディアが6000万ドルでNscale株15万7945株超を取得するワラントを購入し、テキサス州の施設に関する最大8億6030万ドルのリース債務を保証することで合意したことも明らかになっていた。この取り決めは、エヌビディアの支援を受けた顧客が資金調達を利用してエヌビディア製GPUを購入するという、AIインフラを巡る循環的な資金調達への懸念を浮き彫りにしている。Nscaleの上場は、赤字のAIインフラ企業に対する投資家の需要を試すことになり、AnthropicやOpenAIが将来上場する場合の評価額の目安となる可能性がある。