米国債ベーシス取引、20%減の1.2兆ドル 収益性低下で

  • モルガン・スタンレーは、レバレッジをかけた米国債ベーシス取引の資金が今年20%減少し、1.2兆ドルになったと推計している。
  • ベーシス取引では、ヘッジファンドが翌日物で資金を借り入れ、米国債を購入して先物を売却する。
  • 名目エクスポージャーと収益性が低下するなかでも、モルガン・スタンレーは取引がなお活発だとしている。

モルガン・スタンレーの推計によると、レバレッジをかけた米国債ベーシス取引に拘束された資金は、金利見通しの安定と取引環境の改善で期待収益が低下したことを背景に、今年に入り20%減少し、1.2兆ドルとなった。この戦略では、ヘッジファンドが翌日物で資金を借り入れて米国債を購入する一方、対応する先物を売却し、両者の小幅な価格差から利益を得る。資産運用会社はポートフォリオのデュレーション、つまり金利変動に対する感応度を高めるために米国債先物を利用しており、その需要は取引の重要な源泉である。取引の縮小は主に、残存期間2年と5年に連動する先物に集中している。ヘッジファンドの米2年国債先物のネット・ショートポジションは、3月に付けた15カ月ぶりの高水準から40%超減少し、2024年12月の過去最高水準からは半分超減少した。一方、資産運用会社のネット・ロングポジションは、3月の過去最高から30%超減少している。取引規模はなお大きく、ニューヨーク連銀がシステミックリスクの観点から注視している。ただ、モルガン・スタンレーは、現在のサイクルで市場全体に広がるストレスの証拠は見つかっていないとしている。補完的レバレッジ比率の要件緩和により、銀行のディーラー部門はより多くの米国債在庫を保有できるようになり、流動性が改善した。その結果、ベーシス取引業者が狙う相対価値の機会は縮小している。

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