スイス議会は、UBSグループに海外子会社の普通株式等Tier1(CET1)資本を90%確保するよう求める要件を支持し、クレディ・スイス後の規制枠組みを厳格化する方向となった。上院は29対16でこの措置を承認した。政府は当初、UBSに100%のCET1資本による裏付けを求める案を提示しており、実現すれば同行は約200億ドルの資本調達を迫られる見通しだった。妥協案では、追加資本の必要額は160億〜180億ドルになると予想されている。UBSは現在、海外部門を60%の資本で支えており、追加Tier1資本などの金融商品も利用できる。スイス国立銀行(SNB)と金融市場監督機構(FINMA)は当初の100%CET1案を支持していた。一方、SNBは90%という水準について、質の高い資本の相当な規模に当たると説明している。今回の採決には、2023年3月にクレディ・スイスがUBSとの強制合併に追い込まれたことを受け、規制強化を求める政治的・世論の幅広い支持が反映された。ただ、企業団体やスイスの州政府は、要件の厳格化が同国の競争力を損なう恐れがあると警告している。UBSのコルム・ケレハー会長とセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は90%のCET1案に反対する活動を展開し、エルモッティ氏は過剰だと指摘、ケレハー氏は同行がスイスでの将来を再検討する可能性があると警告した。法案はなお下院での審議を必要としており、最終決定は2026年後半または2027年初めまで見込まれていない。国民投票に付される可能性も残っており、UBSには7年間の履行期間が与えられる。