OpenAIの幹部らは、同社の初期段階において、汎用人工知能(AGI、幅広い人間レベルのタスクをこなせるAI)の開発資金を調達する異例の方法を検討したと報じられている。2017年の社内提案「カントリーズ・プラン」では、将来のAGIに関する権利を競売にかける、または政府から資金提供を受けることで、米国、中国、ロシアを関与させる案が検討された。報道によると、当時シニア研究員だったダリオ・アモデイ氏は、この案を道義的に正当性を欠くとし、軍拡競争を激化させ、人権侵害を可能にする恐れがあると警告した。2020年には、サム・アルトマン氏がカニエ・ウェスト氏に未公開版GPT-3への早期アクセスを提供する案を提示したとされるが、ウェスト氏の予測不能な行動を理由に、OpenAIの政策責任者が提案を阻止した。OpenAIはカントリーズ・プランに関する報道の位置づけに異議を唱え、検討したのは国際協力だけであり、中国やロシアにAGIを売却する意図は一切なかったとしている。ガバナンス、商業化、指導部への信頼を巡る対立が報じられた後、アモデイ氏は同僚らとともにOpenAIを離れ、2021年にアンソロピックを設立した。この一連の経緯は、両社が企業顧客、政府契約、研究人材を巡って競争するなかで、両研究所の対照的な立ち位置が形成された背景の一端を示している。