オーストラリアでクレジットカードとデビットカードへの上乗せ手数料の禁止が10月1日に施行され、カフェやバーなどの事業者が価格を引き上げるか、決済コストの増加を吸収する対応を迫られている。労働党政権は、この変更により消費者の負担が年間16億豪ドル(11億1000万ドル)、企業の負担が約9億1000万豪ドル減るとしている。一方、オーストラリア準備銀行(RBA)と豪州競争・消費者委員会(ACCC)は、カード決済のコストは個別手数料ではなく、全体の価格に反映させるべきだとしている。シドニーのバー経営者ドレー・ウォルターズ氏はコストを顧客に転嫁すると述べ、ラスティ・ラビット・カフェのオーナー、ピーター・セマーン氏は食事と冷たい飲料の価格を平均で約2豪ドル引き上げたという。RBAによると、上乗せ手数料を課している企業は約16%で、今回の政策が消費者物価の集計値に及ぼす影響は全体で約0.1%と見積もっている。RBAは国内消費者向けクレジットカード取引のインターチェンジ手数料の上限も0.3%に引き下げたが、マッコーリーのアナリストは手数料変更により、銀行セクターの収入が2027年に約9億豪ドル減少する可能性があると試算している。禁止の対象はVisa、Mastercard、eftposのカードで、アメリカン・エキスプレスとUnionPayも上乗せ手数料を廃止するほか、ペイパル・ホールディングスも10月5日から追随する。