人工知能(AI)データセンターによる電力需要の拡大を背景に、世界で原子力発電所の建設が加速しており、ウランの採掘・濃縮能力が追いつかない懸念が高まっている。国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構(OECD)の原子力機関(NEA)は、「ウラン資源・生産・需要」報告書の第31版で、確認埋蔵量は最大需要を2050年まで賄える可能性があるものの、採掘・濃縮への継続的な投資が前提になると指摘した。世界の原子炉容量は、昨年1月1日時点の稼働中の418基、計378ギガワット(GW)から、2050年までに641~1045GWへ増加すると予測されている。これに伴い、年間ウラン需要は約6万4500トンから8万4800~14万3900トンへ拡大する。オレゴン・グループは、2040年までに年間約4万6000トンの供給不足が生じる可能性があると試算している。ロシアの役割も懸念材料である。Centre for Strategic Advantageによると、ロシアは2024年に世界のウラン採掘量の25%を占め、2040年には36%に達する可能性がある。また、ロスアトムは世界の濃縮ウランの44%を供給している。韓国は米韓原子力協定に基づき、濃縮ウランを全量輸入している。新たな原子炉の稼働により、既存の備蓄や供給契約、輸入先の多様化に向けた取り組みがあるにもかかわらず、調達体制への圧力が強まる可能性がある。