イーロン・マスク氏は、来年、米国の子ども1人につきSpaceX株1株を配布する計画だと明らかにした。約7200万人の子どもと1株約147ドルを前提にすると、提案の価値は約105億ドルとなる。これは、SEC(証券取引委員会)への提出書類によると、6月30日時点でマスク氏が保有していた64億2000万株の1%強に相当する。マスク氏は、対象者の要件や配布方法の詳細を明らかにしていない。 この表明に先立ち、アンソロピックは株主の承認を条件に、株式の5%を新設する公益基金に拠出すると発表していた。アンソロピックによると、共同創業者が持ち分の80%を寄付する約束と従業員向けのマッチングプログラムを含めると、同社株の約20%が公益目的に充てられることになる。同社は早ければ11月にも新規株式公開(IPO)を実施する準備を進めており、報じられている約2兆ドルの評価額を前提にすると、基金への当初配分は帳簿上約1000億ドルとなる。 アンソロピックは基金を完全保有のLLCとして設立し、この形態により非営利団体への寄付と直接配分の間で柔軟に対応できるとしている。同社の価値が非開示の基準額を50%上回るたびに、取締役会は株式をさらに2%追加できる。基金の株式はロビー活動や政治献金には利用できない。アンソロピックは、基金への課税方法や一般向けに開示する内容を明らかにしておらず、今後数カ月以内にガバナンス体制と評価額の基準を公表する計画だとしている。 今回の発表は、AIのリスクと規制を巡る議論が続く中で行われた。基金を発表する2日前、アンソロピックは、50人超を死亡または重傷に至らせる、あるいは10億ドル超の損害を引き起こす差し迫ったリスクが予見されるモデルについて、政府が利用を阻止できる法案の草案を議員に提示した。この措置には商務省の関与と連邦裁判所の命令が必要となるほか、開発者に安全性の枠組みと透明性報告書の公表を義務付ける。9月下旬のAP通信・NORC公共問題研究センターの世論調査では、米国の成人の64%がAIの開発は速すぎると回答した一方、遅すぎるとの回答は8%だった。