米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長が、年8回としている利上げ・利下げ判断を6回に減らす計画を示したことで、32兆ドル規模の米国債市場で変動が高まるとの懸念が広がっている。移行は政策決定を7回予定する来年に始まり、最終的には残る2回の会合を、より幅広い戦略協議に充てる。ウォーシュ議長は、この変更によって当局者が政策を検討する「時間と余地」が増えると述べた。一方、トレーダーは、事前に政策方針を示すフォワードガイダンス(今後の政策運営の方向性に関するシグナル)から距離を置くことも含め、予測しにくい政策運営の一環とみている。政策決定の間隔が長くなれば、金利がより大きく変動し、会合と会合の間に緊急対応が実施される可能性も高まる。10月28日の発表とウォーシュ議長のハト派的な姿勢を受け、短期債の価格は上昇した一方、長期債は出遅れ、イールドカーブ(債券利回りと償還年限の関係)はスティープ化した。それ以降、30年債利回りは2年債利回りに対して約10ベーシスポイント上昇している。投資家は、政策決定の減少とガイダンスの縮小が組み合わさることで、最終的に長期債のリスクプレミアムが高まる可能性があると指摘している。ただ、2年物金利のボラティリティ指標は今のところほとんど動いていない。FRBは、2027年のどの会合を戦略協議に変更するかを明らかにしておらず、秋に開催するとだけ説明している。トレーダーやエコノミストの間では、10月が有力候補とみられている。投資家の大半が1年以内に利上げが終了すると見込んでいるため、市場への当面の影響は限定的にとどまる可能性がある。一方、翌日物金利スワップは、9月会合と12月会合の間でほとんど差がないことを示している。