バイエルは、原告側が利用できる法的主張の範囲を狭めた6月の米最高裁判決後、ラウンドアップを巡る訴訟で初めて勝訴した。セントルイスの陪審は、ラウンドアップを日常的に使用したことが非ホジキンリンパ腫の原因になったとするテレサ・アレティーノ氏、シンシア・フェルナンデス氏、ベティ・ラーキン氏の主張について、バイエル傘下のモンサントに全員一致で軍配を上げた。3人は2020年に、除草剤の設計に欠陥があり、不当に危険で、販売にも過失があったとして提訴した。フェルナンデス氏は審理開始前に死亡しており、3人のいずれもバイエルが提案している和解案には参加していない。バイエルは別途、他のラウンドアップ訴訟を対象とする72億5000万ドルの和解案の承認を求めており、この提案はセントルイスのミズーリ州裁判所の判事が審査している。評決後、バイエル株は4%上昇し、1カ月ぶりの高値を付けた。訴訟は2018年にバイエルがモンサントを買収して以降、同社の重しとなっており、数十億ドルの費用が発生したほか、株価も圧迫してきた。バイエルは米国の州裁判所と連邦裁判所で約6万5000件の請求に直面している。米最高裁は6月、連邦法により除草剤メーカーは米環境保護局(EPA)が承認したラベルを正確に使用することが義務付けられていると判断し、ラウンドアップのラベルにがん警告を記載すべきだったとする主張を退けた。バイエルは、この判決によって他の主張も退けられると述べているが、原告側の弁護士はこの解釈に異議を唱えている。EPAは、ラベルにがん警告を記載する必要はないとしており、これまでグリホサートについて、発がん性がある可能性は低いと結論付けていた。ただ、現在は新たな安全性審査を進めている。国際がん研究機関(IARC)は2015年、グリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類した。バイエルはこの結論について、方法論に問題がある一例外的なものだと批判している。