BIS(国際決済銀行)が事務局を務める決済・市場インフラ委員会(CPMI)は2026年10月29日、決済システムの多様化を受け、中央銀行の4つの役割を「発行者」「運営者」「監督者」「触媒」と定義する報告書を公表した。報告書「進化する決済システムにおける中央銀行と中央銀行マネーの役割」は、ステーブルコイン、トークン化預金、プログラム可能なプラットフォーム、即時決済システム、ノンバンクの決済事業者を検討している。中央銀行マネーについては、システム上重要な決済システムで決済に使われる最も安全で流動性の高い資産であり、異なる種類のマネーが額面どおりに交換される兌換性を支える信頼の礎であると説明した。民間の決済手段は、イノベーションや競争、利用者ごとのニーズに合わせたサービスを支えるため、引き続き重要である。決済手段の多様化が効率性や競争、イノベーションを高める可能性がある一方、新たな相互依存関係を生み、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク、サイバーリスクの広がり方を変える可能性もあると指摘した。報告書は、デジタルマネーの進展を、中央銀行口座へのアクセス、決済インフラ、監督、協調に関する実務的な判断と結び付けている。これは拘束力のある国際ルールではなく政策枠組みであり、各国の政策が異なる可能性を踏まえ、中央銀行が強固な国際協力を維持しながら、役割と手段を一体的に検討するよう求めている。