世界で原子炉の建設が加速しており、10月16日時点の建設中の原子炉は79基に達した。チェルノブイリ事故が起きた1986年に91基が建設中だったのに次ぐ高水準である。再興の背景には、人工知能(AI)データセンターによる電力需要の増加や、地政学的緊張を受けたエネルギー安全保障への懸念がある。今年は11基が建設を開始したほか、201件のプロジェクトが計画段階にあり、15年以内の運転開始を目指している。稼働中の443基と合わせると、世界の原子炉数は2040年ごろまでに600基を超える可能性がある。現在の建設中案件と計画案件のいずれでも中国が先行している。国際エネルギー機関(IEA)は、データセンターの電力消費が2025年の485テラワット時から2030年には950TWhへ、ほぼ倍増すると予測している。小型モジュール炉(SMR)は、従来型の原子力発電所より建設期間を短縮し、コストを抑えられる可能性がある小型の原子力発電所で、対応策の1つとして検討されている。需要拡大を受けてウラン価格も上昇しているが、規制面の不備や建設費の上昇、建設遅延が拡大を持続させる上での障害となっている。