金融機関は、銀行・保険業務で個別に行っていたエージェンティックAIの実験から、複数のAIエージェントを連携させるマルチエージェントAIシステムへと移行している。ただ、全社規模のオーケストレーションを実現した金融機関は10%にとどまる。キャップジェミニの「金融サービス向けワールド・クラウド・レポート2027」によると、59%がこうしたシステムを試験導入または展開している。一方、90%はパフォーマンスとトークンコストを管理するため、インテリジェント・モデル・ルーティング(タスクを適切なモデルに振り分ける仕組み)を導入済み、または導入を計画している。経営幹部の10人に8人は技術的負債の削減を優先し、銀行・保険会社の52%は大手クラウド事業者に展開の統括を委ねることを望んでいる。2028年までに、AIへの投資を決める主な基準として事業成果を重視する経営幹部の割合は141%上昇する一方、効率性を重視する経営幹部の割合は42%低下すると予測されている。4分の3は、3年以内にAIエージェントが顧客エンゲージメントにおいて重要な存在になると見込んでいる。今後3年以内に、ハイブリッド・ソーシングは金融機関の3分の2超で主流の手法になると予想される。一方、エンタープライズ規模でエージェンティックAIを制度化している金融機関はまだ5%にすぎない。