高値が需要を圧迫し、中東からの供給が回復するとともに湾岸地域外の生産が増加するなか、イラン戦争が続くにもかかわらず、世界の原油市場は供給過剰に戻った。JPモルガンは、供給過剰が9月に1日110万バレルに達し、10月には1日140万バレルへ拡大したと推計した。これは昨年の平均である1日130万バレルに近い水準である。ゴールドマン・サックスによると、世界の在庫は戦争開始後の数カ月間に急減したものの、9月から10月にかけては減少しなかった。この間、市場は全体として需給均衡に近い状態となった。中東からの輸出が紛争で混乱した後、国際エネルギー機関(IEA)は先進国の戦略備蓄から過去最大規模の放出を手配した。湾岸地域の原油・コンデンセート輸出量は10月に平均で1日1400万バレルと、戦前の約86%に回復した。一方、石油製品の輸出量は1日310万バレルで、通常の水準の半分強にとどまった。ブレントのスワップはコンタンゴに移行し、目先の現物供給が潤沢であることを示した。ただ、2027年1月渡し以降のブレント先物はバックワーデーションを維持し、先行きの市場環境が引き締まっていることを示した。