
コインベースの調査は、数兆ドル規模の預金流出を警告する財務省や銀行業界団体の主張に反論し、ステーブルコインは世界的にドルの強みを高める一方で銀行は1,870億ドルの決済独占権を守っていると指摘
コインベースは公式声明で「Beyond the Deposit Debate(預金論争のその先へ)」と題する報告書を公表し、ステーブルコインが大規模な預金流出を引き起こし金融システムを不安定化させるという銀行業界の主張を否定した。同社は財務省が見積もる最大6兆ドルの流出予測に異議を唱え、代わりに米銀行が米連邦準備制度に預ける3.3兆ドルの準備金が年間1,760億ドルの利息を生み出している点を指摘した。コインベースはステーブルコインの取引活動は大半が海外で行われ、米ドルの国際的地位を強化していると主張。市場規模は2020年の40億ドルから現在は2,850億ドルに拡大し、2030年までに決済額が1兆ドルに達すると予測している。全米銀行協会など銀行業界団体がGENIUS法の抜け穴を塞ぐよう議会に働きかける一方、シティグループやJPモルガンなどの大手銀行も自社発行のステーブルコインやトークン化預金の展開を模索している。さらに調査では、過去5年間で地域銀行の預金流出とステーブルコイン導入の間に有意な関連は見られなかったことが示されている。