Fireblocks、ML-DSA-44検証を123万ガスに削減

  • Fireblocks、ML-DSA-44署名向けに最適化したEVM検証器を公開。
  • 従来の809万ガスのベンチマークを123万ガスに削減。
  • Fireblocksは144のAIエージェントを9日間稼働させ、概算7500ドルで開発を完了。

Fireblocksは、ML-DSA-44署名検証器を最適化したEVM(Ethereum Virtual Machine)実装を公開した。ML-DSA-44は、かつてCRYSTALS-Dilithiumとして知られていた格子ベースの耐量子暗号方式で、NISTのFIPS 204規格に準拠している。検証にかかるコストは123万ガスで、ZKNoxのETHDILITHIUMベンチマークである809万ガスから6.6分の1に削減した。この削減は、イーサリアムのプロトコルを変更せずに実現した。最大の改善はSHAKE-256ハッシュ計算の最適化によるもので、同計算のコストは約300万ガスから約40万ガスに減少した。EVM内での数論変換(NTT)の計算とメモリー拡張を効率化したことも、さらなる削減につながった。その結果、専用のNTTプリコンパイルを導入する保留中の提案、EIP-7885に基づくETHDILITHIUMの想定コストである約573万ガスを下回った。Fireblocksによると、144のエージェントで構成する自律型AI研究チームが9日間で開発を完了し、概算7500ドルの費用で320件超の検証テストと、Microsoft Researchの形式検証ツール「Z3」で検証した62件の機械検査済み算術特性を作成した。この取り組みは、イーサリアムが長期的に進めるアカウント抽象化への移行に沿うものである。アカウント抽象化では、スマートコントラクトが署名を検証し、ハードフォークなしでNIST承認の耐量子方式を導入できる。2026年初めには、SPHINCS+由来のハッシュベース方式のコストが約12万7000ガスに達したが、署名サイズが大きく、ステートフルであることが要件となる課題を抱えていた。一方、ML-DSAは引き続き、汎用デジタル署名に関するNISTの主要な推奨方式である。

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